【Google Cloud】WordPress 環境構築に必要なこと
- 2025.08.19
- Google Cloud
- Google Cloud, WordPress

WordPress 環境構築、どうやるんだっけ?せっかくだから Google Cloud で一から環境構築してみたいけど、やり方分からん!そんな人たちのために、この記事を書いてみました。
ここでは、Google Cloud 上で WordPress 環境を構築するための下準備の方法を解説します。
この記事を読むことで Google Cloud の使い方や WordPress 環境の構築のための準備方法が分かります。
この記事では以下について解説していますので、参考になればと思います。
- Google Cloud 上で VM インスタンスの作成および設定
- WordPress に必要なパッケージ(Apache、MariaDB、PHP)のインストール
一通り実施すると、WordPress インストール手前までの準備が整います。
前提
Google Cloud を使うためには Google アカウントが必要です。昨今は Android 端末を使うためにアカウントが作成済みだったり、Gmail を使っていてアカウント作成済みだったりすると思いますので、Google アカウント作成の方法は割愛します。
また、Google Cloud 上に WordPress 環境を構築するためには、まず Google Cloud プロジェクトを作成する必要があります。Google Cloud プロジェクトは Google Cloud の初回利用時に作成されますので、こちらの方法も割愛します。
Compute Engine で VM インスタンスを作成
Google Cloud のコンソールにログインします。
https://console.cloud.google.com
左上のハンバーガーメニューから Compute Engine をクリックし、Compute Engine のページに遷移します。メニューの場所が分からなければ、上部中央にある検索で Compute Engine と検索するのもアリです。
はじめて Compute Engine を使う場合、Compute Engine API を有効にする必要がありますので、有効にする をクリックし、有効にします。
Compute Engine のページにある インスタンスを作成 から VM インスタンスを作成します。
マシンの構成のページに遷移しますので、各項目を設定します。

名前 | 私は {システム名}-{リソースの略称} のような感じにしています |
リージョン | US リージョンが安いので、私はその中でも日本に近い us-west1 を選択 |
ゾーン | 特にこだわりなければ 指定なし で OK |

マシンタイプ | 一番安いマシンタイプを選択していますが、用途、予算に合わせて選択してください |
画面左側のリストにある OS とストレージ をクリックし、OS を確認します。

イメージ | Debian がデフォルトとなっていますが、使い慣れた OS があれば変更可能です※以降は Debian での操作方法を記載します |
画面左側のリストにある ネットワーキング をクリックし、ファイアウォールの設定をします。

HTTP トラフィックを許可する | オン |
HTTPS トラフィックを許可する | オン |
静的 IP アドレスの取得
VM インスタンスにはデフォルトで外部 IP アドレスが割り当てられますが、インスタンスが終了するごとに変動(エフェメラル)してしまいます。インスタンスが終了しても同じ外部 IP アドレスが割り当てられるように、外部 IP を固定します。
左上のハンバーガーメニューから VPC ネットワーク > IP アドレス をクリックし、IP アドレスのページに遷移します。
IP アドレスのページにある 外部を予約 から外部静的 IP アドレスを予約します。

名前 | 私は {インスタンス名}-{リソースの略称} のような感じにしています |
リージョン | 接続する VM インスタンスのリージョンに合わせます |
接続先 | 先ほど作成した VM インスタンスを選択します |
SSH 接続
ここから先は作成した VM インスタンスのコンソールにログインして作業を行います。SSH を使って接続しますが、Google Cloud Console ではブラウザーから SSH 接続ができますので、その方法を説明します。
左上のハンバーガーメニューから Compute Engine > VM インスタンス をクリックし、VM インスタンスのページに遷移します。

接続列の SSH をクリックすると、別ウィンドウでコンソールが立ち上がり、SSH 接続ができます。この方法は鍵ペアを作成、設定をする必要がなく、Google アカウントで認証してくれるため、楽ではないかと思います。
各パッケージのインストールと設定
ここからは、WordPress に必要なパッケージのインストールと設定を行います。
Apache
Web サーバーのパッケージ、Apache のインストールおよび設定をします。他の OS(例えば Fedora 系)では、パッケージ名が httpd になるそうです。
# Apache のインストール
sudo apt-get -y install apache2
# 自動起動を有効化 (再起動後も自動起動)
sudo systemctl enable apache2
# 今すぐ起動します
sudo systemctl start apache2
先ほど予約した外部 IP アドレスにアクセスすると、デフォルトページが表示されるかと思います。
MariaDB
DB のパッケージ、MariaDB のインストールおよび設定をします。MariaDB は MySQL 系の DB です。MySQL がいい場合は、MySQL でも構いません。
# MariaDB のインストール
sudo apt-get -y install mariadb-server
# 自動起動を有効化 (再起動後も自動起動)
sudo systemctl enable mariadb
# 今すぐ起動します
sudo systemctl start mariadb
# MariaDB の初期設定を行います
sudo mysql_secure_installation
sudo mysql_secure_installation では MariaDB の初期設定を行い、任意のパスワードを設定します。
PHP
PHP が動くための実行環境などを一式インストールします。
2025年8月現在、WordPress の PHP 推奨バージョンは 8.3 のようですので、PHP 8.3 をインストールします。そのまま sudo apt-get install php をした場合、PHP 8.2 がインストールされてしまいましたので、sury.org のリポジトリを登録します。
# sury.org のリポジトリ登録
sudo apt-get -y install apt-transport-https
sudo curl -sSLo /usr/share/keyrings/deb.sury.org-php.gpg https://packages.sury.org/php/apt.gpg
sudo sh -c 'echo "deb [signed-by=/usr/share/keyrings/deb.sury.org-php.gpg] https://packages.sury.org/php/ $(lsb_release -sc) main" >> /etc/apt/sources.list.d/php.list'
# リポジトリ情報のアップデート
sudo apt-get update
あらためて、PHP 8.3 と関連モジュールをインストールします。
# PHP 8.3 と関連モジュールのインストール
sudo apt-get -y install php8.3 php8.3-cli php8.3-{curl,mbstring,intl,mysql,fpm,gd,xml}
php8.3 | PHP の本体です |
php8.3-cli | PHP のコマンドラインインターフェース(CLI)版を指します |
php8.3-curl | PHP の curl 拡張モジュールです |
php8.3-mbstring | PHP でマルチバイト文字を使用できるようにする PHP の拡張モジュールです |
php8.3-intl | PHP の国際化用拡張モジュールです |
php8.3-mysql | PHP から MySQL / MariaDB に接続するためのモジュールで、WordPress では必須です |
php8.3-fpm | PHP FastCGI Process Manager といい、Apache とは別にPHPを高速に処理するデーモンです |
php8.3-gd | PHP で画像を操作するためのライブラリです |
php8.3-xml | DOM 拡張モジュールで、DOM API を使用した XML や HTML ドキュメントの操作を PHP で行えます |
下記のようなメッセージが表示される場合があります。
NOTICE: Not enabling PHP 8.3 FPM by default.
NOTICE: To enable PHP 8.3 FPM in Apache2 do:
NOTICE: a2enmod proxy_fcgi setenvif
NOTICE: a2enconf php8.3-fpm
NOTICE: You are seeing this message because you have apache2 package installed.
その場合はメッセージのコマンドに sudo を付けて実行しましょう。
# PHP 8.3 FPM をデフォルトに設定
sudo a2enmod proxy_fcgi setenvif
sudo a2enconf php8.3-fpm
# 設定を反映するには再起動が必要
sudo systemctl restart apache2
WordPress インストール用パッケージ
WordPress をインストールするために必要なパッケージをインストールします。
# unzip と wget のインストール
sudo apt-get install -y unzip wget
unzip | zip 形式の圧縮ファイルを解凍するために使用されるコマンドです |
wget | コマンドラインから Web 上のファイルをダウンロードするためのツールです |
まとめ
ここまで一通り実施することで WordPress インストールに必要な環境の作成、準備が整いました。あとは WordPress をインストールができれば、WordPress が使えるようになります。
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